
多くの人がサーマルペーストを初めて目にするのは、既製PCやノートPCを分解したときです。プロセッサーから乾いたサーマルペーストがはみ出しているのを見て、まず疑問に思うのは「なぜここにこれが?」ということでしょう。
もし最初から自作PCから始めた方であれば、運が良かったと言えるでしょう。初心者でPC組み立てで最も重要とも言える物質の基本的な塗布テクニックを知りたい方も、新しい塗布パターンやコツ、知見を探している経験豊富な方も、このガイドで求める情報が見つかるはずです。
さまざまなサーマルペーストの塗布パターン

サーマルペーストの塗布パターンについて見ていきましょう。基本的な「一点(ドット)」または「米粒(ピー)」法のほかにも、CPUへのサーマルペースト塗布によく用いられる5つの主要な塗布パターンがあります。
1. 米粒法(一点塗布法)
前述の通り「一点法」または「米粒法」は、最も基本的なサーマルペーストの塗布パターンです。このパターンではCPUの最も重要な部分にサーマルペーストが塗布され、端からはみ出すリスクを抑えられます。既製PCやメーカー製電子機器の多くが、安全で信頼性が高いこの方法を採用しています。
2. 5点塗布法
「5点塗布法」は前述のパターンの変形で、CPU上に5つのドットを均等に配置します。初心者に推奨される方法で、中央を含めCPUのほぼ全域にサーマルペーストを均一に分布させることができ、はみ出しのリスクも低く抑えられます。AMD が RYZEN シリーズに推奨しているパターンでもあります。
3. クロス法
「クロス」法は前述のパターンと同様に、CPUの四隅と中央にサーマルペーストを行き渡らせるため、より良い熱伝達が期待できます。違いは、ドットではなくラインを使う分、はみ出しのリスクが高まる点です。初心者にもよく選ばれる方法です。
4. 一本線法
この方法は非常にシンプルで、ヒートシンクの圧力を利用して線を両方向に「広げ」、カバー範囲を確保します。
5. 三本線法
前述の方法と似ていますが、線が3本になります。カバー範囲がわずかに向上します。
6. バタートースト法
この塗布パターンは近年、PC自作派の間で定番として人気を集めています。なぜでしょうか?ご覧の通り、これまでのパターンではヒートシンクの圧力でサーマルペーストを広げていました。この方法ではあらかじめサーマルペーストをCPU全面に行き渡らせておくため、確実に最大の熱伝達を得られます。ただしはみ出しのリスクは高くなります。試す場合は、使用するサーマルペーストに電気伝導性がないことを必ず確認してください。
そして、ここが肝心なのですが、ペーストを薄く均一に塗布できるのであれば どのパターンでも大差はありません。
厳密には違いが出ますが、サーマルペーストの層が薄くCPU全面に触れている 限り、熱伝達の大部分は達成されています。
比較結果は 塗布パターンの分析記事 で確認できます。適切な量を使えば、温度差はごくわずかです。ただしこれはサーマルペーストの塗布を雑にして良いという意味ではありません。上記いずれかの方法で丁寧に塗布すれば、不十分な塗布よりも確実に良い温度を得られます。
なお、製品によっては非常に広げにくく、均一に伸ばすには硬すぎるものもあり、特定のパターンでは性能が出にくいことがあります。その場合はバタートースト法をおすすめします。
サーマルペーストのベストな塗り方
「ベスト」な塗布パターンは存在しないとはいえ、上記パターンを「ベスト」に塗布する方法は存在します。新しいサーマルペーストを正しく塗布することは、性能を引き出すうえで重要です。

1. クーラーを取り外す(付属ヒートシンク、空冷ヒートシンク、水冷の場合は水冷ヘッドを外す)
2. アルコール+綿棒+ペーパータオルの組み合わせを使い、ヒートシンクに付着した古いサーマルペーストを除去する
***または、KOLD-01 サーマルペーストパッケージ または KLEAN-01 サーマルペースト除去パッケージ に同梱されているクリーニングワイプと手袋を使えば手軽に作業できます。このワイプは特殊配合により、乾燥しきったサーマルペーストでも繊維くずを残さず拭き取ることができ、手袋は化学薬品から手を守ります。
3. アルコール+綿棒+ペーパータオル(またはサーマルペーストリムーバー)を使い、CPUに付着した古いサーマルペーストを除去する
4. 表面が乾くまで2分待つ
5. 上記いずれかのパターンで、サーマルペーストをCPU側にのみ塗布する
6. ヒートシンクをCPUの上に慎重に乗せ、ネジを締めて再取り付けする(CPUとヒートシンクの接地部周辺にはみ出しがないか確認し、ある場合はペーパータオル(または 専用ワイプ)で拭き取る)
サーマルペーストはどれくらいの量が必要?
ここまでで塗布パターンと具体的な手順はわかりましたが、もう一つ欠かせない要素があります。「量」です。どれほど優れたパターンを正確に塗布しても、マザーボードにチューブ一本分のペーストが流れ出してしまっては台無しです。

結論は 状況次第 です。プロセッサーのサイズは様々なので、まず自分のCPUの寸法を確認する必要があります。ただし目安として(Intel も推奨している通り)、40mm x 40mm のプロセッサーなら米粒大(0.3〜0.4ml)が適量で、まさに「一点」パターンと同じ量です。クロス(上図)などのパターンでは、量の見極めが少し難しくなります。
結局のところ、必要量を見極めるベストな方法は常識に従うことです。「これを押しつぶしたら端からはみ出すだろうか?」と自問してみてください。「はみ出しそう」と感じたら、おそらく多すぎます。(サーマルペーストの適量についてもっと詳しく)
サーマルペーストはどのくらいの頻度で交換すべき?

塗布パターンを選び、量を決め、手順通りに塗布して、PCは新品同様に動いている。でもふとこう思うかもしれません。「またこの作業、やるの?」
答えはイエスです。ただし、以下のような要因にも左右されます。
· PCの使い方
· PCの設置環境
· 冷却システムの品質
一般的に、サーマルペーストは継続的に高い熱にさらされるほど早く劣化します。CPUを常時オーバークロックして AAA タイトルを最高設定でプレイし続ければ、大量の熱が発生してサーマルペーストも早く劣化します。一方、日常的なブラウジングや YouTube 視聴中心であれば、サーマルペーストはより長持ちします。
PCの設置環境とは、部屋自体が暑くホコリっぽくないかどうかを指します。部屋が暑くPC内部にホコリが溜まれば、PC本来の発熱に加えて温度が上昇し、サーマルペーストが劣化します。
最後に冷却システムです。サーマルペーストから伝わってきた熱が十分に放散されないと、熱がサーマルペーストを介して他の部品に戻り、劣化を早める原因になります。
PCの発熱が早くなったり動作が遅く感じたりしたら、通常はサーマルペースト交換のサインです。ただし心配はいりません。高品質なサーマルペーストであれば、CPU上で2〜3年は同レベルの熱伝達性能を維持できます。
Kooling Monster KOLD-01 サーマルペーストは有機溶剤不使用のため、他のサーマルペーストよりも乾燥しにくく、長持ちかつ高性能を維持します。
FAQ
サーマルペーストはCPUに直接塗るのですか?
はい、サーマルペーストはCPUのヒートスプレッダー(上面の金属部分)に 直接 塗布します。CPUとヒートシンク(またはクーラー)の間の微小な空気のすき間を埋め、最適な熱伝達を確保 する役割を果たします。
サーマルペースト塗布後すぐにCPUを使っても問題ない?
はい、サーマルペースト塗布直後にCPUを使用できます。システムが発熱し始めると、ペーストが広がって効果的に機能します。ただし製品によっては、最適な性能に達するまで数回の熱サイクルを要する場合があります。
CPUへのサーマルペーストのベストな塗り方は?
最も基本的な方法は、米粒大の少量 のペーストをCPUの中央に置くことです。ヒートシンクを装着すると、その圧力でペーストが均一に広がります。塗りすぎははみ出してシステムを損傷する恐れがあるため、必ず避けてください。
CPUのサーマルペーストはどれくらいの期間で交換すべき?
一般的に、通常使用であれば 3〜5年ごと の交換が推奨されます。ただしシステム性能、使用環境、ペースト品質によってこの目安は変動します。CPU温度を 定期的に 監視し、上昇傾向が見られた場合は早めの交換を検討してください。
サーマルペーストを正しく塗布しないとどうなる?
塗布が不適切だと 熱伝達効率が低下 し、CPUが本来よりも高温で動作する原因になります。長期的には、サーマルスロットリングやシステム不安定化を招き、オーバーヒート によってCPUやその他の部品が損傷する可能性もあります。


