
サーマルペーストは、パソコンの冷却機構を適切に機能させるための不可欠な存在で、CPU や GPU からヒートシンクへの熱伝導を担います。よく浮かぶ疑問のひとつが、サーマルペーストに有毒で危険な物質である水銀が含まれているかどうか、というものです。
見ていきましょう!
CPU/GPU 用サーマルペーストに水銀は含まれているのか?
いいえ、CPU や GPU 用のサーマルペーストには通常、水銀は含まれていません。水銀は非常に強い毒性を持つ物質で、少量であっても人体に重大な健康リスクをもたらします。吸入や摂取によって、水銀は神経系、腎臓、肺に深刻なダメージを与えます。さらに、生殖系や免疫系にも害を及ぼし、子どもに発達や行動の問題を引き起こす可能性があります。
水銀は室温でも気化するため、サーマルペーストの素材には適していません。CPU は 70℃ を超える温度に達することもあり、CPU や GPU 用のサーマルペーストに水銀を使った場合の危険性はさらに増幅されます。この高温で水銀が気化すると、使用者にとってさらに大きなリスクとなります。
代わりに、シリコーンベース、カーボンベース、液体金属ベースなど、はるかに安全で効果的な他のタイプのサーマルペーストが利用できます。液体金属ベースのサーマルペーストでも水銀は使われず、代わりにガリウム、インジウム、トリチウム、イオン化物などの金属が使われます。これらの金属は導電性がありますが、水銀のような人体への害はありません。(詳しくは CPU/GPU 用サーマルペーストは何でできているのか? を参照)
水銀をサーマルペーストとして使えるのか?

水銀をサーマルペーストとして使うことは推奨されず、絶対に避けるべきです。水銀は非常に強い毒性を持つ危険な物質であり、接触した人に深刻な健康リスクをもたらします。水銀の蒸気を吸い込んだり、素手で触れたりすると、神経損傷、腎臓損傷など深刻な健康問題を引き起こし、重症の場合には死に至ることもあります。
水銀は揮発性も極めて高い物質で、簡単に気化して空気中に拡散します。その結果、周囲の環境が水銀で汚染され、ほかの人の健康にも影響を与え、環境に長期的な害をもたらす可能性があります。
さらに、水銀は電気を通すため、電子機器に接触すると深刻なダメージを与えます。たとえば、水銀がマザーボードにこぼれれば短絡を引き起こし、パソコンの他の部品にもダメージを与えたり、破壊したりする可能性があります。
水銀に伴うこれらの危険性を考慮すると、パソコンのサーマルペーストとして水銀を使うことは絶対に避けるべきです。代わりに、シリコーンベースのサーマルペーストのような、より安全かつ効果的な代替品が用意されています。これらは無毒で長持ちし、パソコンに安心して使用できます。
サーマルペーストは有毒なのか?

サーマルペーストが有毒かどうかは、その成分によって異なります。シリコーンベースのサーマルペーストには金属酸化物が含まれていますが、量が非常に少ないため健康に悪影響を及ぼすことはありません。実のところ、チューブ1本丸ごと使っても、人体に害を及ぼすほどの毒性はありません。ただし、カーボンベースや液体金属ベースなど、鉛や銀といった潜在的に有毒な物質を含む可能性のあるサーマルペーストもあります。このため、サーマルペーストを購入する前に製品ラベルや成分表をよく読み、安全で用途に合っているかを確認することが重要です。
サーマルペーストの塗布時に生じうる危険についても考慮すべきです。塗布の際は、手袋の着用やペーストの吸入回避など、適切な安全対策を取ることが大切です。加えて、有毒物質への曝露を防ぐため、余分なペーストは適切に清掃することも重要です。
一般的に、無毒で安全に使えるシリコーンベースのサーマルペーストを選ぶのが賢明です。適切な取り扱いと塗布を行えば、シリコーンベースのサーマルペーストはパソコン部品の冷却に優れた選択肢となり、健康に悪影響を与えずに信頼できる効果的な性能を発揮します。(詳しくは サーマルペーストは有毒か? を参照)
水銀フリーのサーマルペーストを使うメリット

シリコーンベースのサーマルペースト(Kooling Monster KOLD-01 など)は、パソコン冷却においていくつかのメリットを提供し、パソコン愛好家やプロフェッショナルの間で人気のある選択肢です。シリコーンベースのサーマルペーストが多くの人に好まれる理由をいくつか挙げます。
非腐食性: シリコーンベースのサーマルペーストは腐食を起こさず、CPU やヒートシンクを時間の経過とともに損傷させることがありません。金属ベースのペーストなどは CPU やヒートシンクと反応して腐食や損傷を引き起こすため、これは重要な特性です。
長寿命: シリコーンベースのサーマルペーストは長持ちし、熱特性を数年間維持できます。対照的に、セラミックベースのサーマルペーストは時間とともに乾燥して効果を失い、金属ベースのペーストも時間の経過とともに劣化して効果が落ちます。
性能向上: シリコーンベースのサーマルペーストは、他のタイプのサーマルペーストと比べて優れた熱伝導性を発揮します。この熱伝導性の向上によって、CPU や GPU からヒートシンクへの熱伝達が改善され、性能の向上と動作温度の低下につながります。
塗布のしやすさ: シリコーンベースのサーマルペーストは、CPU や GPU の表面に簡単かつ均一に塗り広げられます。散らかりやすく塗布が難しい他のタイプのサーマルペーストに比べ、初心者にもやさしい選択肢です。
互換性: シリコーンベースのサーマルペーストは、幅広い CPU と GPU に対応する汎用的な選択肢です。さらに、幅広いヒートシンクにも対応しており、自分のシステムに適した組み合わせを見つけやすくなっています。
まとめ
結論として、CPU や GPU 用のサーマルペーストに水銀は通常含まれていません。代わりに、シリコーンベースなど、安全でパソコン冷却にメリットの多い他のタイプのサーマルペーストがあります。最高の性能を得て部品の損傷を防ぐためにも、システムに適したサーマルペーストを選ぶことが重要です。


